歯茎の腫れを放おってませんか??歯肉炎とインフェクションコントロールのお話。
みなさん「歯周病」という言葉はよく耳にすると思います。実は、世界的に有名な「スリランカスタディ」という研究で、歯周病の進み方に特徴があることが分かっています。
この研究によると――
長期にわたり人々の歯ぐきの状態を観察した研究で、重症化する人は一部に限られ、多くの方は“中等度”にとどまることが分かっています。つまり、毎日のケア+定期的なプロケアで炎症をコントロールできれば、重症化を防げる可能性が高いということです。

図1:Sri Lanka Study motif – Periodontal Severity Distribution
キャプション:
> 世界的コホート研究の知見から、**歯周病の約8割は「中等度」**に分布します。だからこそ、**中等度の段階で進行を止める=“インフェクションコントロール”**が最重要です。
つまり歯周病治療で一番大切なのは、
「重症になってから治す」ことよりも、
中等度の段階で進行を止めることなんです。
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歯肉炎のうちにコントロールすることが大事
歯周病は最初「歯肉炎」という軽い炎症から始まります。
この時期にしっかりと細菌の感染を抑えることで、歯周病の進行を防ぐことができます。
ここで重要になるのが インフェクションコントロール。
これは「感染をコントロールする」という意味で、歯石を取るだけでなく、歯ぐきの炎症そのものを抑えるケアのことを指します。
1. 専用機器でのプラーク・バイオフィルム除去,
2) 歯ぐきにやさしい磨き方の練習,
3) 間食・喫煙・睡眠など炎症を強める生活要因の見直し,
4) 担当衛生士によるメインテナンス間隔の最適化。
この地道なセットが、歯を残す力になります。
2) 歯ぐきにやさしい磨き方の練習,
3) 間食・喫煙・睡眠など炎症を強める生活要因の見直し,
4) 担当衛生士によるメインテナンス間隔の最適化。
この地道なセットが、歯を残す力になります。
感染(バイオフィルム由来の炎症)を制御すると、歯周病の進行リスクが大きく低下します。派手ではないけれど、歯を長持ちさせる最短ルートです。
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当院の取り組み
当院では、他の歯科医院と違い 衛生士が完全担当制 になっています。
治療のスタートからメインテナンスまで、ずっと同じ衛生士がしっかりサポート。
派手な治療や手術の話ではなく、
「地味だけれど着実に歯を守ること」こそが大切だと考えています。
これは予防先進国である北欧で広く取り入れられている考え方です。
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もちろん、必要な治療も行います
もちろん、再生療法やインプラント治療も行っています。
ただし、それは「どうしても必要になったとき」。
大切なのは、原因をしっかり取り除き、歯を残すことです。
歯肉炎や中等度歯周病の段階でインフェクションコントロールを徹底することで、将来の歯の寿命は大きく変わります。
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まとめ
歯周病は「ならないこと」「進ませないこと」が一番の治療です。
スリランカスタディでも示されているように、ほとんどの歯周病は“中等度”のまま進行することが多いため、早めのインフェクションコントロールがカギになります。
私たちは患者さんと一緒に、しっかりと原因にアプローチし、歯を長く守っていきたいと考えています。
2025年09月03日 13:04