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海外支援活動⑤:与える支援から、共に育てる支援へ

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パラオでの診療が終盤に差し掛かってきた頃、改めて考えるようになったことがあります。

それが 「支援とは何か」 というテーマでした。

今回のPansy Projectの活動は、もちろんボランティアです。

しかし、実際に現地で働いていると、「ただ与える支援」では足りないし、むしろ場合によっては、迷惑にすらなるという現実が見えてきました。

この最終回では、パラオで私が感じた“支援の本質”について書いてみたいと思います。
 


■ パラオには“壊れたままの機器”がたくさんあった

診療室に入った初日、設備を見て最初に驚いたのは、

新品に近い機器と、壊れたままの機器が混在しているということでした。
 

例えば、

  • パノラマレントゲンは故障したまま数年放置

  • 咬合器や器具の一部は開封すらされていない

  • コンプレッサーの圧力が安定せず、ユニットが止まることがある

  • バーは折れやすく、種類もほとんど無い

  • 使い方が分からないまま棚の奥に眠っている器材もちらほら
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これらは全て「寄贈品」なのだそうです。
 

けれども、誰もメンテナンスできない。

使い方を学べなかった。

部品の交換手段もない。
 

その結果、

“役に立つはずの機器が、ただ場所を取るだけの存在になる”
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という状況が生まれていました。
 

これはパラオだけの話ではなく、

東南アジアや島嶼国ではよく起こる問題です。
 

善意で送った医療機器が、
現地の医療体制に合わず「死蔵」してしまうことは珍しくありません。


■ 医療支援は、“渡すこと”より“使えるようにすること”が大事
 

こうした機器を見ていて感じたのは、

支援は渡すことがゴールではないということです。

 

本当に必要なのは、

  • 使いこなせるように教育すること

  • 修理が必要になったとき相談できる体制

  • 部品調達を含めた維持管理のしくみ

  • 現地スタッフが継続して扱えるレベルの設備を選ぶこと

これらの“運用のサイクル”です。
 

言い換えると、
 

支援=機器の寄贈ではなく、

 “持続的に運用できる環境”を一緒につくること

 

この視点が抜け落ちると、

どれだけ高性能な機器があっても、結局使えなくなってしまう。
 

パラオの診療室で、それを強烈に実感しました。


■ 現地スタッフは本当に頑張っている
 

パラオで一緒に働いた歯科衛生士さん、助手さん、技工士さん。

皆、設備の不足や環境の厳しさにめげず、本当に前向きに働いています。
 

  • 患者さんとの距離が近い

  • とにかく優しい

  • 困ったときはすぐ助け合う

  • お互いに感謝を伝え合う文化がある
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こういう空気の中で一緒に診療できたのは大きな経験でした。
 

そして、一番印象的だったのは、

「学びたい」という気持ちがとても強いことです。
 

ある若い歯科衛生士さんは、こう話してくれました。

「日本で働けたらいいな。技術を学びたい。
あなたたちの診療がすごく丁寧で、私たちもそうなりたい。」

こうした“学びたい気持ち”がある場所に、

技術を押しつける支援は必要ありません。
 

必要なのは、

共に学ぶ関係です。


■ “与える支援”は続かない
  “共に育つ支援”だけが続く
 

支援の形には2つあると思います。

✖ 「与える支援」

  • 機器を送る

  • 道具を渡す

  • 一回きりの活動で終わる

  • 相手の吸収力や体制を考えない
     

これは短期的には役立つように見えて、

長期的にはほとんど意味を持ちません。
 

◎ 「共に育つ支援」

  • 使いこなせるレベルのものを共有する

  • 手に入る材料でできる治療を教える

  • 現地スタッフと一緒に診療し、手を動かす

  • 継続できる予防体制を作る

  • 定期的に戻って改善し続ける

これは時間がかかりますが、

国と国、人と人の“持続的な関係”をつくる支援です。
 

今回のパラオでの活動は、まさに後者でした。
 

「また来てね」「続けてほしい」という声も多く、
プロジェクトの持つ“継続性”の価値を強く感じました。


■ フッ素洗口はパラオに必要な武器になる
 

今回、学校でのフッ化物洗口指導にも今回のプロジェクトでは、先生方が頑張ってました。
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これが、現地の予防体制を変える大きな可能性があります。
 

パラオは砂糖の摂取量が多く、甘い飲み物が安く手に入るので、
虫歯リスクは日本以上に高い。
 

その一方で歯科医院は少なく、
予防指導に割ける人材もほとんどいません。
 

だからこそ、

「自分たちでできる予防」=フッ化物洗口
は非常に重要です。
 

現地の子どもたちも、とても素直で楽しくすすめていたとのことでした。
 

1回の治療では歯は守れないけれど、
1年続ければ確実に未来の虫歯は減る
 

これこそが“共に育つ支援”です。


■ ボランティアは“自己満足”にしてはいけない

良い機器を渡したい。
高い技術を見せたい。
 

こういった気持ちは、どうしても生まれます。

でもそれは、時に「自己満足」になってしまう。
 

今回、実際に現地に立って思ったのは、

“自分がやりたいからやる支援”は続かない。
“相手に必要な支援を一緒に考えること”が本物の支援になる。

ということでした。
 

寄り添って、対話して、一緒に考えて。

そうすれば、支援は“与える側と受ける側”という構造から抜け出し、

“共に成長する関係”に変わっていきます。


■ 最後に ― 医院理念とパラオでの気づき
 

WADA DENTAL CLINIC の理念は、

『思いに寄り添い、診療を丁寧に、1本の歯を通じて生涯を上質へ』

です。
 

パラオでの経験は、この理念の意味をより深く理解させてくれました。

  • 寄り添うこと

  • シンプルな治療の価値

  • 患者の生活背景を知ること

  • 無理に“正しい医療”を押しつけないこと

  • 続く支援を作ること

これらすべてが、理念とつながっている。
 

日本での診療にも、必ず還元される経験だと思っています。
これから見つめなおし、研鑽し、考え、行動し、また色々と変わることができたら、また歯科医師としての原点を求めにパラオのプロジェクトに参加したいと思います。

今回は、様々な方の支援でこのプロジェクトで参加することができ感謝しております。
ありがとうございました。

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2026年01月07日 22:55

海外支援活動④:QOLと“歯を残すこと”の関係

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パラオで診療していると、日本では当たり前のように考えていた 「歯を残すこと=良いこと」 という価値観が、少し揺らぎました。
もちろん、歯を残すのは大事ですし、そのための技術も努力も日本の強みです。

ただ、パラオで患者さんを診ていると、そもそもの“生活背景”が違う。
その違いに気づいてから、「歯を残すことって、本当に全員にとって最優先なのか?」という疑問が自然と湧いてきました。
 

今回は、そこに気づくきっかけになった経験を中心に QOL の話をしたいと思います。


■ QOL(生活の質)は「歯の本数」だけでは決まらない
 

日本で診療していると、
「歯を残す治療」
「できるだけ保存」
「根を活かす」
といった治療方針がごく自然に考えられます。
 

患者さんからも

「できれば抜きたくない」
「どうにか残せないか」

という声が多いですよね。
もちろん当然の話ですし、セミナーや学会、日々の研鑽はそのために頑張っています。
 

ただし、これは日本の医療レベルの高さも関係していますし、
“80歳で20本以上の歯を残そう”という国の方針など、習慣として根付いてきた価値観です。

 

ただ、パラオではそれがまったく違う。


■ “歯を残す”より“今日を生きる”が優先される現実
 

パラオの診療中、よく聞いたのが

「今日しか来れない」
「明日仕事で島を出る」
「お金がないので、1回で終わらせてほしい」

という声でした。
 

生活がシンプルな分、

“通院を前提にした治療計画”が成立しない。

 

だから、どれだけ歯を残す価値を説明しても、

「抜いてください」

という答えになることが多い。
 

そしてそれは“諦め”ではありません。

彼らの生活と価値観の中では
「今日、確実に痛みを取る」
ことが最も合理的
だからです。
 

日本のように
「また来週来てください」
「根管治療を3〜4回しましょう」

という発想がそもそも成立しない。
 

この現実を前にすると、
“歯を残すことが全てではない”

という考えが、初めて腑に落ちました。


■ 歯がなくても“おかゆでいい”という価値観
 

さらに衝撃だったのは、

若い人は歯を抜いてもあまり気にしないということでした。
 

年配の方も、奥歯がほとんどない状態が当たり前のようになっていて、
それでも普通に生活しています。
 

確かに、農耕や牧畜を自前でする国ではないので、
必然的にタンパク質よりも炭水化物がおおく
その為、食べ物は柔らかめのものが多く、
食文化自体が“ガツガツ噛む”タイプではない。
 

「痛みがなければ食べられるから大丈夫」
「柔らかいものが好きだから問題ないよ」

といった声を実際に聞きました。
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もちろん、それが良い状態とは言えません。

ただ、彼らの生活にとっては「それで十分」であり、
QOLは歯の本数ではなく、その人がどう生きたいかで決まる

という当たり前の事実を突きつけられました。


■ 一方で、「しっかり食べたい」人は歯が必要
 

パラオで出会った60代の方々は、多くが奥歯を失っていました。

現地に20年以上住んでいる日本人の方にも話を聞きましたが、

「やっぱり80歳で固いものを食べ続けたいなら、歯がないと難しい」
という話をしてくれました。
 

結局、
“どう生きたいかによって、必要な歯の本数も治療方針も変わる”
ということです。
 

・しっかり噛んで食べたい
・子どもと同じ料理を食べたい
・肉を食べたい
・自分の歯で最後まで食べたい
 

こういう希望がある人にとっては、歯を守る治療は必要不可欠。

逆に、
 

・おかゆで良い
・柔らかいものしか食べない
・そもそも食にそこまでこだわらない
 

こういう人にとっては、そこまで高度な治療は必要ない。
 

当たり前の話ですが、
日本で働いていると、この“個人差”を忘れがちになります。


■ 「歯を残す医療」は、患者の希望を聞くところから始まる
 

パラオで診療をしていると、とにかく患者さんが素直です。
 

「痛いから抜いてほしい」
「今日は眠れるようになりたい」
「お金がないので1回だけで」
 

シンプルで分かりやすい。
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日本では、

「抜きたくないけど、本音では痛くて辛い」
「残したいけど、通院は面倒」
「費用面が不安だけど言いづらい」

など、患者さん側も本音と建前が存在する場面が多いと感じます。
 

その結果、歯科医師の判断と患者さんの本音の差が生まれがちです。
 

パラオの診療を経験すると、

“歯を残す”医療のスタートは、患者さんの希望を正直に引き出すこと
だと強く思いました。


■ QOLとは、「その人がその人らしく生活できるかどうか」

結局、QOLを決めるのは

歯の本数でも治療の高度さでもなく、
“その人が望む生活ができるかどうか”

なんですよね。
 

パラオでの経験は、それをものすごくシンプルに示していました。
 

・今日痛いなら、今日痛みが取れれば良い
・柔らかいものが食べられれば問題ない
・費用や通院時間のほうが負担が大きい
・高度な治療より、日常の安心が大事
 

こうした価値観は、日本ではあまり表に出てきません。
 

でも本来、

患者さん一人ひとりのQOLは、本人の価値観を聞かない限り絶対に分からない。

パラオでの診療はそれを“体感として”理解させてくれました。


■ 日本での診療でも大事にしたい視点
 

日本では、
歯を残せる技術がある。
通院できる環境がある。
保険制度がある。
それは本当に素晴らしいことです。
 

ただ、パラオでの経験を通して思ったのは、
 

「歯を残すことは手段であって目的ではない」
ということです。
 

目的は、

“その人が最後まで自分らしく食べられること”
 

そのために歯が必要なら残すべきだし、

生活の中でどうしても難しいなら、別のアプローチもある。
 

もっと柔軟で良い。

もっと相手の価値観に合わせて良い。
 

そう思えるようになりました。


■ 歯科医師としての価値観を揺さぶられた数日間
 

パラオで過ごした数日間は、

歯科医師としての考えを大きく揺さぶる経験でした。

日本の高度な医療と、パラオのシンプルな医療。

どちらが優れているという話ではありません。

ただ、


“患者さんにとっての幸せはどこにあるのか?”


という問いに向き合う上で、パラオはとても大きなヒントをくれました。

2026年01月07日 22:17

原因はそこじゃない?「歯の痛み」の意外な落とし穴

 

 

あけましておめでとうございます。院長の和田です。
1月から、本格的な受験シーズンが始まりますね。

 

試験に臨む際は、焦らずにまず落ち着いて
問題を読み解くことが大切です。

 

これは歯科でも同じで、
痛い歯をやみくもに治療するのではなく、
まずは慌てずに原因を突き止めることが
重要です。

 

 

 

 

◆「この歯が痛い!」だけでは
 治療できない?

 

歯医者に行ったとき、
「痛いのはこの歯だ、と伝えたのに
すぐに治療に入らず検査が続いた」
という経験はないでしょうか。

 

一刻も早く痛みから解放されたいのに、
レントゲンを撮られたり、
別の歯をチェックされたりすると、
もどかしさを感じてしまうかもしれません。

 

 

 

しかし、歯科医がすぐに治療に入らないのには、
明確な理由があります。

 

歯科診療の中で、
患者さんが「痛い」と感じる場所と、
実際にトラブルのある場所が一致しないのは
決して珍しいことではないからです。

 

特に、神経に達した深いむし歯で痛みが激しい場合は、
その発信源を特定するのが非常に難しくなります。

 

歯は一度削ってしまうと元には戻せないため、
このようなケースではより慎重な判断が必要となるのです。

 

 

 

 

◆上下でズレることも?
 痛みの場所が食い違う理由

 

こうした感覚のズレは、
前歯よりも奥歯に行くほど
起こりやすいことがわかっています。

 

歯を刺激してどの歯に触れたか当てる実験では、
奥に行くほどその正解率は下がり、
前後3~5本の範囲で間違えてしまう人が
多くいました。

 

中でも第二大臼歯(前から7番目)では、
ひとつ手前の第一大臼歯と勘違いする人のほうが、
正解者よりも多いという結果がでています。

 

さらに、痛みが激しくなると
上下で痛みの場所を間違えることもあります。

 

これは上あごの神経と下あごの神経が
脳に向かう途中で合流するためで、
強い痛みの信号が送られると情報が混ざり合い、
正確な場所が判別できなくなってしまいます。

 

 

 

その結果、原因は下の歯なのに、
「上の歯がズキズキ痛む」
と感じてしまうことも少なくありません。

 

 

 

 

◆自己判断に頼らず、まずは詳しい検査から

 

痛みの原因が不明確なままの治療だと、
健康な歯を無駄に削ってしまうことにも
なりかねません。

 

そのため、歯科医師はすぐに治療に入らず、
まずは「痛みの発信源」を
突き止めることに全力を注ぎます。

 

 

 

 

「早く治してほしいのに…」
ともどかしく感じるかもしれませんが、
一連の検査は大切な歯を守るために
必要なプロセスです。

 

また、
「どこが痛いかうまく説明できない」
という場合でも、
原因の場所を一緒に探していきますので、
安心してご来院ください。

 

 

WADA DENTAL CLINIC
〒816-0941
福岡県大野城市東大利2-2-6
TEL:092-571-5240
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2026年01月07日 11:28

海外支援活動③:パラオでの歯科診療 シンプルに治療する、ということ

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パラオで数日間診療を続けていると、ある感覚が強くなってきました。


「医療とは、本来はこんなにシンプルなんだ」


この言葉に尽きます。


もちろん、シンプルだから良い、複雑だから悪いということではありません。

ただ、日本で日々診療をしていると、どうしても
“情報量の多さ” “制度の複雑さ” “治療の選択肢の多さ”
が重なっていきます。


それが悪いわけではない。

むしろ、医療レベルの高さとして誇るべきことです。


でも、パラオの診療室に立ったとき思ったのは、

「複雑になりすぎたことで、見えづらくなっていたものがある」

ということでした。


■ 日本の歯科は“高度化しすぎている”のかもしれない

日本の歯科医療は、世界的に見てもかなりレベルが高いと言われます。

保険制度があって、予防歯科の普及率も高く、治療の選択肢も豊富。
保険診療と自費診療を組み合わせれば、かなり高度な治療まで対応できます。


ただ、その一方で、


治療時間の制限
点数計算
説明義務
写真・同意書・契約書・カルテ記載
トラブル防止のための対応


とにかく“考えなきゃいけないこと”が多い。


治療そのものより、周辺の業務・準備・配慮が
診療時間を圧迫することも珍しくありません。


言い方を選ばずに言えば、

「治療そのものに集中しづらくなっている」

そんな空気感すらあると思います。


もちろん、これには理由があるし、必要な仕組みです。

ただ、パラオでの診療を経験すると、
この“複雑さ”がどれほど日本の現場の負担になっているかを
久しぶりに痛感した気がしました。


■ 一方でパラオでは、“今日の痛みを取る”ことだけに集中

パラオでは、患者さんのほとんどが
「痛みを取ってほしい」
という目的で来院します。


理由は単純で、


歯科医院が少ない

治療費が高い

通院が難しい

今日しか来れない

保存治療を受ける仕組みが整っていない

こうした背景が重なっているからです。


実際の診療でも、
検査・資料採得・治療計画…といった流れより、

とにかく “その場で問題を解決する” ことが重視されます。


初めて診た患者さんが
「今日もう眠れないレベルだから助けてほしい」

と言ってきた場面がありました。


診察してみたら深い虫歯で感染が強く、
根管治療も選択肢としてはあります。

でも彼の選択は最初から “抜歯一択”。

処置後の彼の表情を見て、

「これで安心して寝れるよ」

と言ってくれた瞬間、

その“シンプルさ”にハッとさせられました。
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医療って、本来こういうものだったんじゃないか?

そんな感覚がふと湧いてきたんです。



■ シンプルな治療の背景には“生活のシンプルさ”がある


パラオの人たちは、生活全体がとてもシンプルです。

夜は早く寝る

家族で過ごす時間を大事にする

島全体で助け合う文化が根づいている

仕事よりコミュニティを優先する人も多い


そんな国にある医療も、自然と「シンプル」にならざるをえない。


これは決して“レベルが低い”という意味ではなく、

社会の構造そのものが違うということです。


高度な治療を求める文化が根付くには、

「時間」「お金」「通院しやすさ」「教育」がセットになって必要です。

パラオではその多くが現実的ではない。


だからこそ、

今日の問題を今日解決する医療

が主流になるわけです。


■ それなのに、診療はものすごく“楽しかった”


正直、最初は驚くことの連続でした。

ライトが暗い

水が出ないユニットがある

バーが折れやすい

パノラマのレントゲンは壊れたまま

材料の選択肢が極端に少ない

日本では考えられない状況です。

でも、そんな中での診療は不思議と とても楽しかった。


なんで楽しいのか自分でも分かりませんでしたが、

しばらく考えていて気づいたのは、


“余計なことを考えず、治療そのものに集中できる時間だった”

ということです。


点数も、書類も、しがらみも関係ない。

ただ、目の前の患者さんを助ける。

痛みを取る。

安心して帰ってもらう。


それだけに全力を注げるという状況は、

日本では意外と少ないのかもしれません。


■ シンプルな治療は、シンプルな人間関係を生む

パラオの診療では、

スタッフとの関係性も日本と少し違います。
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現地スタッフは非常に協力的で、

英語が少ししか通じなくてもコミュニケーションが成立します。


お互い笑顔

ジェスチャーが多い

相手のリズムに合わせる

言葉より“気持ち”が優先

そういう関係が自然と出来上がります。

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診療中も無理に急かしたり、

完璧を求めたりする空気がありません。

みんな自然体で動いていて、その分、

奇妙なほどスムーズに治療が進んだりします。


シンプルな治療は、

シンプルな関係性も作るんだと実感しました。


■ “シンプルに治す”という価値観を忘れていたのかもしれない

日本で日々忙しく診療していると、

どうしても複雑な治療・計画・説明が必要になります。


もちろん、それは患者さんのためであり、医療の質の向上でもあります。

むしろ伝わっていないと不安になりますし、ちゃんと同意のもとでしか医療は成り立たないと思っています。


ただ、パラオでの診療を経験すると、


「複雑さの中で、シンプルな医療の喜びを少し忘れていたのかもしれない」

と、思わされました。


シンプルに治す。

患者さんの今日を楽にする。

安心して帰ってもらう。

それがどれだけ大切なことなのか。


パラオでの診療の日々は、それを強烈に思い出させてくれました。


■ “シンプルさ”は、決してレベルの低い医療ではない

誤解してほしくないのは、
ここで言う“シンプルさ”は「簡素」「適当」ではないということです。


パラオの医療は、本当にできることが限られています。
それでも、患者さんを救いたいという思いはどこにも負けていない。


シンプルとは、“本質だけが残った状態” のこと

診療が複雑化した日本では、
どうしてもその“本質”が見えにくくなります。



だからこそ、パラオで感じたこのシンプルさは、

これからの日本での診療でも大事にしていきたい価値観だと思いました。
2025年12月10日 00:45

那覇マラソン完走!そして歯科医院見学へ

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12月7日、沖縄で開催された那覇マラソンに、チーフの松岡と二人で参加してきました!

実はあまり練習できておらず、しかも腰も少し痛めていた状態での挑戦…。
それでも何とかギリギリ6時間で完走することができました。
 

天気は快晴、時々くもりで気温も心地よく、

沿道の声援が本当に力になりました。
特に小さな子どもたちの「がんばれー!」の声にはリタイヤの甘い気持ちが吹き飛ばされました。
 

昨年はセミナーで参加できず、今年が3回目の那覇マラソン。
なんとか無事にゴールできて、達成感もひとしおでした。
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翌日(12月8日)は、パラオにも一緒に行った神下先生の医院、はごろもファミリー歯科さんに見学に伺いました。
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チェア7台の大きな医院で、
患者さんもスタッフさんもとても多く、
特に小児歯科に力を入れた診療スタイルが印象的でした。
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いろいろと学ばせていただき、またここ数年は、
プレオルソをはじめとした小児期からの咬合育成、
マウスピース矯正をはじめとした矯正治療をすすめており、

もとよりWADA DENTAL CLINICでは、
インフェクションコントロール、カリオロジーを中心とした
北欧型の予防歯科医院を推進しております。

2017年もさらに小児の口腔内をより充実させていこうと思います。


マラソンに医院見学と、盛りだくさんの年末イベントでしたが、
体調にも気をつけながら、今年も最後までしっかり頑張ります!

応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

2025年12月09日 23:41

保険でできる白いつめもの「CR(コンポジットレジン)」とは?

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こんにちは。院長の和田です。
12月は古くから「師走」と呼ばれますが、
これはお坊さんが走り回るほど忙しくなることが
由来のひとつとされています。

 

年末に向けて公私の予定も重なり、
私たちも何かと慌ただしく感じる季節です。

 

忙しい合間を縫って、
「今年のうちにむし歯を治しておきたい」
と考えている方も多いのではないでしょうか。

 

実は、むし歯治療において
見た目を損なわず、
歯の負担も小さく済む方法があります。

 

 

 

 

◆白くて自然!
 CR(コンポジットレジン)とは

 

むし歯は治したいけれど、
「治療のあとが目立ってしまうのはちょっと…」
と気にされる方は少なくありません。

 

このようなお悩みに応えるのが、
自然な見た目に仕上がる
「CR(コンポジットレジン)」
というつめものです。

 

CRは歯科治療用の白いプラスチック素材で、
保険診療でも広く用いられています。

 

最初はやわらかいペースト状ですが、
むし歯を削った部分につめて
特殊な光を当てると固まり、
歯にぴったりとなじんでいきます。

 

 

 

主に小さなむし歯
前歯のむし歯の治療に使用され、
治療のあとがほとんど目立たないのが特徴です。

 

 

 

 

◆見た目だけじゃない!
 歯の健康を守るCRの魅力

 

CRは「白くて自然な色合い」という点が
注目されがちですが、
実はそれ以上に大きなメリットがあります。

 

それは
「健康な歯をできるだけ削らずに残せる」
という点です。

 

例えば、金属のつめものの場合は、
外れないようにするために健康な部分も
ある程度削る必要があります。

 

一方で、CRは歯に直接接着するため、
むし歯の部分だけを削って
つめることが可能です。

 

 

 

一度削った歯は元には戻らないため、
削る量を抑えることで歯の強度を保ち、
寿命を延ばすことにもつながります。

 

そのほかに、歯の型取りが不要で
その日のうちに治療が完了できる手軽さも、
CRの嬉しいメリットです。

 

 

 

 

◆知っておきたいCRの注意点

 

短時間で治せて見た目もきれいなCRですが、
いくつか注意したい点もあります。

 

まず、金属やセラミックに比べると
強度が劣るため、大きなむし歯の治療や
強い力がかかる部位にはあまり適していません。

 

また、水分を吸収する性質があるため、
長く使っているうちに少しずつ変色や
段差が生じることがあります。

 

こうした特性と個々の歯の状態や
かみ合わせなどをもとに、
CRが適しているかを判断していきます。

 

 

 

 

◆最適な治療法をご案内します

 

CRは多くのメリットを持つ治療法ですが、
むし歯の大きさや部位によっては、
より強度のあるつめもの(金属・セラミック)が
適している場合もあります。

 

 

 

 

当院では、それぞれのつめものの
利点と欠点を丁寧にご説明し、
患者さんのご希望も伺いながら、
最適な治療法を一緒に考えていきます。

 

つめものについて気になることがあれば、
どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

WADA DENTAL CLINIC
〒816-0941
福岡県大野城市東大利2-2-6
TEL:092-571-5240
URL:https://wada-dental-clinic.jp/
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/5ARDH8MLhieFE4F67
2025年12月02日 11:17

海外支援活動②:ペリリュー島 ― 戦争と平和、そして医療

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パラオ滞在の中で、最も印象に残った場所があります。

それが ペリリュー島(Peleliu Island) です。

ここを訪れたのは診療が一段落した日。
“観光”というよりは、「日本人として歴史をきちんと認識する為に行く」という感覚でした。
実際に行ってみると、それがすぐに分かります。


■ コロールから船で1時間

朝、港から船に乗り、コロール島を出発します。
この日の天気は最高。
パラオ特有の深い青とエメラルドグリーンが混ざった海がどこまでも広がり、
「ああ、これが世界のダイバーが憧れる海か」と実感しました。
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波は多少ありますが、揺れもそこまで強くなく、景色を眺めるだけであっという間に時間が過ぎます。

1時間ほど進むと、島影がはっきり見えてきます。
緑に覆われた静かな島ときれいな海が広がっています。

その姿はほんの80年前に戦争があったとはとても思えない、そんな素晴らしい場所です。
 


■ ペリリュー島は“激戦地”の象徴

ペリリュー島は、太平洋戦争の中でも特に激しい戦いが起きた場所のひとつです。
1944年9月〜11月、約2ヶ月にわたる戦闘で、日本兵1万人以上が命を落としたと言われています。
当時の島の日本軍守備兵の生存率は非常に低く、「玉砕の島」とも呼ばれてきました。

ガイドさんは日本語が堪能で、移動中ずっと歴史を説明してくれました。
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話を聞きながら島を巡ると、数字だけでは分からない“重さ”が胸にのしかかってきます。


■ 触れられる戦争遺構

ペリリュー島の戦跡は、他の戦地と比べると「距離が近い」ことが特徴です。
柵の向こうではなく、そのままの形で残されている
これは世界的にも珍しいそうです。

歩いていると、突然「戦車」が目の前に現れます。
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錆びついたアメリカ軍の戦車で、触れることもできる。
手を置くと、金属の冷たさではなく、なんとも言えない重さを感じます。
 

次に案内されたのは 日本軍のゼロ戦の残骸
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こちらも手を伸ばせば触れられる距離にあり、
プロペラ部分やエンジンの残りが草木の間から見えていました。
 

さらに進むと、岩山の中に掘られた 防空壕(通称・千人壕) があり、
当時のガラス瓶や生活道具がそのまま残っていました。
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正直、写真で見たことは何度もあっても、
“今もそこにある”という現実は全く別物です。


■ 西太平洋戦没者の碑と“時間が止まる感覚”

ペリリュー島にはペリリュー平和公園にある西太平洋戦没者の碑があります。
天皇皇后両陛下も訪れたことがある場所で、
その前に立つと、言葉が出なくなります。
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ガイドさんが静かに話してくれました。
「ここには、最後まで戦った人たちが眠っています」
「まだ見つかっていない遺骨もたくさんあります」

潮風の音しか聞こえない静かな場所なのに、
心の中では、戦地の叫びや足音を想像してしまう。
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“時間が止まっている”と言われる理由が分かりました。


■ 島は今も“地政学の最前線”

平和な観光地に見えますが、ペリリューは今もアメリカ軍の施設があり、
パラオ自体もアメリカと強い関係を持つ国です。

ガイドさんが言っていました。
「今、中国からの進出も増えていて、
 パラオは国としてどうバランスを取るか難しくなってきている」と。

南の楽園のような島にも、世界情勢の影響は確実に届いている。
観光で見る景色の裏に、現実の緊張感が存在していることを強く感じました。
 


■ 戦争=“命を奪う行為”

  医療=“命を守る行為”

ペリリュー島を歩いていると、自然とこの2つが頭の中で並びました。

戦争では、人を傷つけ、奪う。
医療は、傷ついた人を守り、繋ぐ。

どちらも“人の体”に関わる行為ですが、
方向性はまったく正反対です。

そしてその「命を守る医療」は、平和な環境がなければ絶対に成り立たない
そんな当たり前のことを、改めて突きつけられました。


■ 島を歩きながら感じた「パラオの人の強さ」

戦後80年近く経った今も、遺構が残るペリリュー島。
しかし、島の人たちは穏やかで、優しく、まっすぐです。

戦争の記憶を抱えながらも、
「今を生きて幸せに暮らす」という力強さを感じました。

小さな国ではあるけれど、
そういう“人の強さ”がパラオという国を支えている気がします。


■ ペリリュー島で感じたことは、診療室にもつながった

この島を訪れたあと、
私は再びパラオ国立病院での診療に戻ったのですが、
その時の気持ちは明らかに違っていました。

「平和だからこそ、今ここで医療ができる」
「命を守る行為を、自分は職業にしている」
「だからこそ、患者さんの“今日”を大事にしよう」

そんな気持ちが強くなっていました。
どんなに設備が不足していても、
どんなに限られた治療しかできなくても、
“目の前の患者さんの痛みを取ること”が、
どれだけ尊い行為なのかを改めて感じました。


■ ペリリュー島は、「医療の原点」を考えさせる場所

こうしてペリリュー島を歩いた時間は、
ただの観光ではなく、とても大切な学びになりました。

南国の美しい海と、戦争の記憶。
そのギャップを肌で感じることで、
“今の自分の仕事の意味”がよりクリアになった時間でした。

パラオにもしいかれる際には今そこにある戦争の記憶に是非とも触れていただきたいと思いますね。

2025年12月01日 15:07

海外支援活動①:パラオへ 医療を考える

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今回、1週間のお休みをいただきパラオでの医療支援活動「Pansy Project」に初めて参加してきました。
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Pansy Projectとは7年前から活動しているNPO団体で、以前よりお誘いをいただいていたのと、色々な思いがあり意を決して今回参加させてもらいました。
前から話を聞くたびに「いつか行ってみたい」と思っていましたが、実際に自分が現地に立つと、想像していた“海外医療”とはまったく違う世界が待っていました。


まずは出発から。
成田空港を朝10時に飛び立ち、グアム経由でパラオへ。
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到着は深夜1時。なかなか長い旅です。

空港に着いた瞬間、むわっとした湿気と南国の匂いが一気に押し寄せてきて、「ああ、本当に来たんだな」という実感が湧きました。

ホテルに着いたときは真っ暗。
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街灯も少なくて、海の音だけがかすかに聞こえる静かな夜でした。

翌朝外に出ると、いきなり太陽が高い位置にあって驚きました。
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ガイドさんによると パラオの日差しは日本の7倍ほど強い らしく、本当に肌がじりじりと焼けるようでした。
 

ここで少しパラオについて補足します。
パラオは大阪の真南あたりに位置し、時差はゼロ。

日本から行きやすい南国ですが、観光だけでなく、
ダイビングの世界では「セブ・モルディブと並ぶ三大スポット」に挙げられる国でもあります。

今回の滞在中も、あちこちでダイバーの姿を見かけました。

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こんな写真がいたるところでいとも簡単に撮れてしまいます。
 

国全体は 大小500以上の島 で構成されていて、人口は約1.8万人。

世界でも屈指の“小さな独立国”です。

道路は右側通行、信号はほとんどなし。

夜は早く、20時を過ぎると街全体が静かになる。
その代わり、昼間は陽の光と海の青さが本当に鮮やかで、時間の流れそのものがゆっくりしています。
 

経済状況はかなり特徴的です。
平均月収は約500ドル(約8万円)。

観光業や漁業が主産業で、物価は意外と高い。
特に野菜は輸入頼みなので高額で、冷凍食品や缶詰が多くなりやすい。
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野菜のコーナーもこんな感じで、
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お肉は冷凍ですね。
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砂糖を使った甘い飲み物やお菓子も多く、砂糖の摂取量が多い=虫歯のリスクが高いという背景があります。

成人の生活習慣病(特に糖尿病)が多い理由も、食生活と運動不足が絡んでいます。

そうそう、地元の小学生にサッカーに混じらせてもらいました。
サッカーはどこでやってもサッカーですね。
無尽蔵の体力の子供たちに打ちのめされる前の写真です。
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その中で、今回の活動の中心となったのが ベラウ国立病院(Belau National Hospital)
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パラオの医療の中心で、歯科もここがメインです。

現地の人員は、歯科医師2名、歯科衛生士4名、歯科助手2名、歯科技工士2名。
この人数で島全体を診ていると考えると、本当に大変です。
 

実際、設備は常にギリギリ。
ユニットは5台ありますが、水が出にくかったり、ライトが暗かったり、バーが折れたり。
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デジタルのデンタルレントゲンはギリギリ動くものの、パノラマレントゲンは故障して長期間放置されていて使えない状態でした。
 

その一方で、機材には「From the People of Japan」と書かれたステッカーが貼られているものも多く、日本からの支援が大きかったことも感じられました。
ただ、それを扱いきれる体制がない。

ここは後半の“支援の話”にもつながっていきます。
 

診療初日は、自己紹介からスタートしました。
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英語は問題なく通じるわけではないですが、現地スタッフはすごくフレンドリーで、笑顔やジェスチャーで十分伝わります。
こういうところに、パラオの人の「優しさ」「ゆったりした気質」を強く感じます。
 

実際の診療が始まると、日本との圧倒的な違いがすぐに見えてきます。
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ほとんどの患者さんの目的は “痛みを取ること” のみ。

理由はシンプルです。

  • 治療費が高い(抜歯8ドル、根治・CRは100〜400ドル)

  • 歯科医院が3軒しかない

  • 予約は3ヶ月後

  • そもそも「今日しか来れない」

日本のように「保存できる歯は残す」という前提がありません。

今日痛いなら今日抜く。
それが彼らにとっての合理的な選択です。
 

最初に診た患者さんは頬の痛みを訴えていて、進行した虫歯が原因でした。
日本なら根管治療で保存、という判断もできますが、
彼は迷いなく「抜歯でお願いします」と言いました。
 

処置後、
「これで今日から眠れる。ありがとう」
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と言われた言葉は、本当に重かったです。

 

普段、日本で「歯を残す」ことばかり考えている立場として、
“痛みを取りたいだけ”という価値観は、理解しつつも衝撃的でした。
でも、彼らの生活背景を知ると、それが自然に感じられます。

働き方も不安定で、日々の生活で歯の治療に時間とお金をかけられない。
歯科にかかる“ハードル”がとても高いんです。

 

昼休みには外へ出て、海を見ながらお弁当を食べました。
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差し入れのココナッツをみんなで飲んだりしながら、

「医療って、本来はこういうシンプルな形だったのかもしれない」と思えてきます。
 

現地スタッフとは日を追うごとに仲良くなってきて、
治療中も自然と連携が取れるようになりました。
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言葉が完璧じゃなくても、誠意と気持ちで十分に伝わる。

それを強く実感しました。

こうしてパラオで過ごした1日目を終えた時点で、

すでに “医療の原点” を考え始めていました。

日本では、
設備・技術・制度・説明義務・予約管理・保険制度……

あらゆる要素が複雑に絡んでいます。

しかしパラオでは、

目の前の患者さんの痛みを取り、その日を安心して過ごしてもらうこと。
それだけが医療の中心にあります。
 

この“シンプルさ”の中に、
医療の大事な部分があるのだと、強く感じました。
 

次回は、滞在中に訪れた ペリリュー島 の話を書きます。
ここは太平洋戦争の激戦地。
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“命を奪う行為”と“命を守る医療”を対比して考える時間になりました。
 

2025年11月16日 21:00

その1本が歯の寿命を縮める!?喫煙と歯周病の関係

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こんにちは。院長の和田です。
11月17日は肺がんへの理解と
予防意識を高めるために定められた
「肺がん撲滅デー」です。

 

肺がんの主な原因とされるタバコは、
全身のさまざまな病気のリスクを高めることが
知られています。

 

その影響は、お口の中の病気も
例外ではありません。

 

 

 

 

◆ヤニ汚れより怖い!
 タバコが奪う” 歯の寿命”

 

タバコによるお口トラブルといえば、
「ヤニ汚れ」「口臭」
イメージされる方も多いでしょう。

 

しかし、タバコの害で本当に怖いのは、
歯の寿命そのものを縮めてしまうことです。

 

ある調査では、70代の喫煙者は
非喫煙者よりも平均で約8.5本
歯が少ないという結果が報告されています。

 

 

 

その背景にあるのが、
歯を失う原因で最も多くの割合を占める
「歯周病」の存在です。

 

喫煙はこの歯周病の進行を早めるだけでなく、
歯周病治療の効果まで下げてしまいます。

 

この二重の悪影響によって、
タバコを吸う人ほど
歯を失うリスクが高まってしまうのです。

 

 

 

 

◆知らないうちに進む喫煙の”二重ダメージ”

 

タバコが歯周病の進行を早める主な原因は、
煙に含まれる3 つの有害物質
(ニコチン・一酸化炭素・タール)です。

 

・ニコチン:血流を悪化させ、歯ぐきを栄養不足にする
・一酸化炭素:体を酸素不足にして、歯ぐきの抵抗力を奪う
・タール(ヤニ):歯の表面にこびりつき、
歯周病菌がつきやすい環境をつくる

 

 

 

こうした影響が重なることで、
歯ぐきが本来持つ「細菌と戦う力」
「傷を治す力」が徐々に奪われていきます。

 

その結果、タバコを吸う人は
吸わない人に比べて
歯周病のリスクが約5.4 倍に上昇するほか、
治療の効果も半分程度まで
落ちることがわかっています。

 

さらに問題なのは、血流の悪化によって
歯ぐきの腫れや出血といった
歯周病特有のサインが出にくくなる点です。

 

そのため、喫煙者は自覚がないまま
歯周病が重症化してしまい、
やがて歯がぐらついたり、
抜けてしまったりするおそれがあります。

 

 

 

 

◆”禁煙”が無理でも諦めない!
 今からはじめる歯周病ケア

 

歯周病だけでなく、全身の健康のためにも
「禁煙」がベストの選択です。

 

とはいえ、
「わかっているけど、今すぐの禁煙は難しい」
という方も多いでしょう。

 

大切なのは、すぐに禁煙ができなくとも、
タバコのリスクを理解したうえで
今できる歯周病ケアを欠かさないことです。

 

 

 

 

ご家庭での丁寧なセルフケアと、
歯科医院での定期的なケアを継続しながら、
タバコの影響を少しずつ減らしていきましょう。

 


 

WADA DENTAL CLINIC
〒816-0941
福岡県大野城市東大利2-2-6
TEL:092-571-5240
URL:https://wada-dental-clinic.jp/
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/5ARDH8MLhieFE4F67
2025年11月05日 14:23

医療の本質とは何でしょうか?

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医療の本質とは何でしょうか?
 
痛みや苦しみを取り除くこと。
失われた機能を回復させること。
あるいは、患者さんの希望を叶えること。
それだけで本質を語れるでしょうか?
 
 
現在、WADA DENTAL CLINICでは
歯科医師1名、歯科衛生士5名、歯科助手1名のチームで日々診療を行っています。
 
私たちは理念である
「思いに寄り添い、診療を丁寧に、1本の歯を通して生涯を上質へ」
の言葉を胸に、毎日少しずつ前進することを大切にしています。
 
そのために、院外セミナーや院内勉強会、症例検討会、学会への参加など、
常に知識と技術のアップデートを重ねています。
 
また、スカンジナビア(北欧)スタイルの診療を導入し、
治療主体から予防主体の歯科医療へと大きく舵を切りました。
歯を「治す」よりも、「守る」ことに価値を置くこと。
それは、今の日本の歯科にもっと必要な考え方だと感じています。
 
技術的にも、
型採りのデジタル化や、スイス製「エアフロー」を使った歯周病治療など、
最先端の機材を積極的に取り入れてきました。
 
さらに医院全体の滅菌レベルもヨーロッパ水準にまで高め、
電子カルテやデータ管理のデジタル化も進めています。
これらは、より安全で確かな医療を提供するための土台です。
 
しかし、これらの技術や設備は、あくまで“手段”にすぎません。
 
 
では、医療の本質とは何か?
 
最近、スタッフと話す中で感じるのは、
「本質は、どれだけ人に寄り添えるか」ということ。
 
患者さんの気持ちに寄り添い、
その人の人生を支える医療でありたい。
 
今回、私が参加するパラオでのボランティア活動(PANSYプロジェクト)は、
まさにその“医療の原点”を確かめる旅になると思っています。
 
1週間、医院をお休みさせていただくことで
患者さま・スタッフ・業者さまにはご不便をおかけしますが、
多くの方々から温かい励ましのお言葉をいただき、
心から感謝しております。
 
短い期間ではありますが、
この経験から多くを学び、
帰国後にはより良い医療を、
チーム全員で患者さまに届けてまいります。
 
医療の本質を胸に、
これからもWADA DENTAL CLINICは進化を続けていきます。
 
2025年10月22日 20:55

WADA DENTAL CLINIC


【電話番号】092-571-5240
【住所】福岡県大野城市東大利2-2-6
【診療時間】月・火・木・金曜日 9:00~18:00
土曜日 9:00~16:00
【休診日】水・日曜日、祝日

下大利駅より徒歩3分。駐車場6台完備。完全個室な診療室になっており、お客様のプライバシーにも配慮しております。

  

【電車でお越しの場合】下大利駅 徒歩3分
【お車でお越しの場合】駐車場6台完備

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